LTVはなぜ重要? CRMとの関係性や最大化を図る具体的な方法
あらゆるモノがあふれ、飽和状態となっている市場もあるなか、商品・サービスの技術や価格などで差別化を図ることが難しくなりつつあります。
新規顧客獲得へのハードルが高くなるなかで、企業が安定した利益を生み出していくには、既存顧客との関係構築によってファン化・リピーター化へとつなげることが重要です。
そこで指標となるのが、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)と、効率的に顧客関係を構築するCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)です。企業担当者のなかには、「LTVとCRMにどのような関係性があるのだろう」「CRMを活用してLTVを最大化する方法はないだろうか」などと戦略を検討している方もいるのではないでしょうか。
この記事では、LTVが重要とされる背景やCRMとの関係性、CRMツールを活用してLTVの最大化を図る方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.LTVとは
- 2.LTVが重要とされる背景
- 3.LTVとCRMとの関係性
- 4.CRMを活用してLTVの最大化を図る方法
- 4.1.レコメンドメールの配信
- 4.2.アドレサブル広告の配信
- 4.3.自社ポイントの付与
- 5.まとめ
LTVとは
LTVとはLife Time Valueの略で、顧客生涯価値という意味があります。これは、一人の顧客が企業にもたらす利益の総額を指します。
顧客との良好な関係性を示すLTVは、マーケティング施策を講じる際に活用される指標の一つです。
主に顧客単価・リピート率などの指標として用いられており、LTVの値が高いほど既存顧客との関係構築や、商材の顧客シェアを拡大できていると判断できます。
LTVが重要とされる背景
LTVが重要とされる背景には、新規顧客獲得の難易度が高まっていることや、消費の流動性が高まっていることが挙げられます。
近年、市場にあらゆる商品・サービスがあふれて飽和状態となっている市場もあり、企業間の市場競争が激化しています。その結果、新規顧客を獲得する難易度が高まり、コストも増加しやすくなっています。
このような市場競争のなかで企業が安定した利益を得るには、すでに接点のある既存顧客との良好な関係を維持して、定着化につなげることが重要です。
また、SaaSのようなサブスクリプション型のビジネスモデルが普及したことも要素として挙げられます。サブスクリプション型のビジネスモデルでは、顧客と長期的に良好な関係を築き、LTVを向上させることが欠かせません。
さらに、インターネットやSNSの普及によって、消費者が気軽に情報収集できるようになり、数ある商品の比較検討が容易になりました。商品・サービスを選び直しやすくなっているなかで継続して購入してもらうには、顧客関係を構築しながら、顧客ロイヤリティの向上やファン化を図る必要があります。
LTVとCRMとの関係性
LTVとCRMには密接な関係性があります。CRMとは、顧客との関係構築を通して売り上げや利益の向上につなげるマネジメント手法です。
CRMは、顧客一人ひとりのニーズや温度感に合わせて個別に展開するOne to Oneマーケティングにより、良好な関係性を築くことを目的としています。つまり、LTVを最大化させるには、CRMの活用が不可欠といえます。
CRMを活用してLTVの最大化を図る方法
CRMツールを活用することで、LTVの最大化を図るためのさまざまな施策を講じられます。具体的な方法には、以下が挙げられます。
レコメンドメールの配信
CRMによる施策の一つに、レコメンドメールの配信が挙げられます。
過去に購入した商品・購入日・購入頻度などの情報を基に、顧客一人ひとりに合ったタイミング・内容のメールを配信することで、関連商品の購入やリピート購入を促せます。
▼レコメンドメールの配信例
- 商品Aを購入した顧客に、同じターゲット層が購入した関連商品Bの情報を配信する
- 商品を消費するタイミングで、同じ商品情報を配信する
アドレサブル広告の配信
CRMツールに蓄積された顧客データ(年齢や性別、過去の購入履歴など)を基に、特定の顧客に広告を配信する“アドレサブル広告”も有効です。
自社と接点のある既存顧客に限定して広告を配信することで、潜在層より反響を得やすくなる効果が期待できます。過去の購入状況に合わせて広告の内容を変えることによって、リピート購入の促進や休眠顧客の掘り起こしにつながります。
▼アドレサブル広告の配信例
- A商品を購入した顧客に、グレードの高いB商品の広告を配信する
- 一定期間購入がなかった顧客に、新商品のリリース情報を配信する
自社ポイントの付与
CRMツールを用いてアプリケーションやECサイトの会員ページでポイントを付与することもLTVの最大化を図る方法の一つです。
CRMツールを活用することで、蓄積された顧客の行動データに応じて自社ポイントを付与することが可能です。自社ポイントに、商品購入代金の一部に充てる、自社クーポンと引き換える、競合他社の共通ポイントと引き換えるなどのインセンティブを設けると、ポイント活用を促しやすくなります。
また、購入商品ごと、店舗ごと、もしくはキャンペーンなどのタイミングで自社ポイントを付与することで、お得感を醸成できるため、リピート購入の促進やファンの育成、競合他社への顧客流出防止につながります。
▼自社ポイントの付与例
- 商品購入金額に応じて、次回の購入時に使えるポイントを付与する
- 会員登録をしているユーザーに、毎月一定のポイントを付与する
まとめ
この記事では、LTVについて以下の内容を解説しました。
- LTVの意味
- LTVが重要とされる背景
- LTVとCRMの関係性
- CRMを活用してLTVの最大化を図る方法
新規顧客獲得の難易度や消費の流動性が高まっていることから、既存顧客との関係構築に目を向けたLTVが重要視されています。
LTVを高めて、顧客のファン化やリピーター獲得につなげるために有効なのがCRMの活用です。CRMツールの活用により、レコメンドメールやアドレサブル広告の配信、自社ポイントの付与といった施策でLTVの最大化を図れます。
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なお、ナーチャリングにおけるCRMツールの活用方法については、こちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。