【成功事例】ナレッジマネジメントのよくある失敗と成功に導くためのコツ
従業員が持つ知識・ノウハウ・経験などを蓄積・共有して、組織力の強化を図るナレッジマネジメントは、生産性の向上や企業の成長に欠かせない取り組みの一つです。
しかし、ナレッジを集約・共有する仕組みをつくるだけでは、形骸化してしまったり、ナレッジの有効活用が進まなかったりして、失敗に終わってしまうケースも少なくありません。
ナレッジマネジメントを促進させるには、失敗しやすいケースと成功事例を把握したうえで、社内体制・ルールを整備することが重要です。
この記事では、ナレッジマネジメントでよくある失敗を踏まえつつ、成功に導くためのコツや成功事例を紹介します。
目次[非表示]
- 1.ナレッジマネジメントでよくある失敗
- 1.1.ナレッジが登録されない
- 1.2.ナレッジが現場で活用されない
- 2.ナレッジマネジメントを成功に導くコツ
- 2.1.①ナレッジを共有する機会を設ける
- 2.2.②ナレッジ共有にインセンティブを設ける
- 2.3.③誰もが使いやすいツールを導入する
- 2.4.④運用ルールを整備する
- 3.ナレッジマネジメントの成功事例
- 3.1.全文検索による検索時間の削減
- 3.2.充実した検索機能で容易なナレッジ検索を実現
- 3.3.自主的なナレッジ習得による作業効率の向上
- 4.まとめ
ナレッジマネジメントでよくある失敗
ナレッジマネジメントでよくある失敗として、次のようなケースが挙げられます。
ナレッジが登録されない
ナレッジを蓄積・共有するツールを導入したものの、従業員にナレッジを登録してもらえないケースがあります。
ナレッジを積極的に登録してもらえない原因には、以下が考えられます。
▼ナレッジ登録が進まない原因
- 個人の勘や経験に基づいた暗黙知を形式知化するのが難しい
- 業務が忙しく、ナレッジを登録する時間がない
- ほかの従業員にナレッジを知られたくないという抵抗感がある
- ツールの使い方が複雑で、登録が面倒に感じてしまう
ナレッジが現場で活用されない
従業員が持つナレッジを登録してもらい、知識・ノウハウが蓄積されたにもかかわらず、現場での活用が進まないという失敗ケースもあります。
ナレッジが蓄積されていても、検索しにくい仕様で必要な情報がどこにあるのか分からないと参照に時間がかかり、現場でのナレッジ活用が進まなくなることがあります。
▼ナレッジが活用されない原因
- 記述のフォーマットが整理されておらずで、理解に時間がかかる
- 関連性のないデータが蓄積されていて、必要な情報を見つけられない
- 似たようなナレッジが重複して登録されていて、どれを参考すればよいか分からない
なお、ナレッジマネジメントの失敗については、こちらの記事でも解説しています。併せてご確認ください。
ナレッジマネジメントを成功に導くコツ
ナレッジマネジメントを成功させるには、従業員にナレッジ登録を促す仕組みを設けるとともに、現場で活用しやすい体制を整えることが重要です。
ここからは、ナレッジマネジメントを成功に導くコツを4つ解説します。
①ナレッジを共有する機会を設ける
従業員が持つ暗黙知を形式知化するために、ナレッジを共有できる機会を設けることがコツです。
勘や経験などの暗黙知は、言語化してツールに登録するのが難しかったり、従業員自身がナレッジを保有している自覚がなかったりするケースがあります。
暗黙知を形式知化するための場を設けることで、従業員が持つナレッジが共有・蓄積されやすくなります。暗黙知を形式知化する際は、“SECI(セキ)モデル”というフレームワークを活用するのが有効です。
SECIモデルを活用して暗黙知を形式知化する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
②ナレッジ共有にインセンティブを設ける
ナレッジ共有を行った従業員へのインセンティブとして、人事評価の項目を追加したり、表彰制度を設けたりすることも有効です。
インセンティブを設けることで、自身で培ってきたスキル・ノウハウなどの共有に抵抗感を覚える従業員や、「忙しい」「面倒」といった理由でナレッジ共有に消極的な従業員に対して参加を促せるようになります。
③誰もが使いやすいツールを導入する
ナレッジの登録・閲覧・検索がしやすいように、誰もが操作しやすいナレッジ共有ツールを導入することもコツの一つです。
誰もが操作しやすいツールを使用することで、「使い方が分からない」という理由でツールを利用していなかった従業員に対して、ナレッジの登録や現場での活用を促せるようになります。
④運用ルールを整備する
現場でナレッジが活用されやすい仕組みをつくるためには、ナレッジマネジメントの運用ルールを整備することも重要です。
必要な情報にすぐにアクセスしやすく、誰が見ても内容を理解しやすいようにナレッジを体系的に管理することがコツといえます。
▼運用ルールの作成方法
- ナレッジを記述するフォーマットを作成する
- ナレッジの記述形式を統一する
- ナレッジの内容・関連性に応じてカテゴリに分ける
ナレッジマネジメントの成功事例
ナレッジマネジメントによって社内全体で知識やノウハウの共有が進むと、さまざまな効果が期待できます。
ここでは、企業内部のナレッジ共有・継承に特化したコミュニケーションプラットフォーム『Vital Knowledge』を導入してナレッジマネジメントに成功した事例を3つ紹介します。
全文検索による検索時間の削減
精密機器の製造を手がけるOME Technology社では、ベテラン従業員の経験を十分に活用できていないという課題を抱えていました。
▼導入背景
ベテラン従業員が持つ知的財産を活用して、企業競争力を高めることを目的としてVital Knowledgeを導入されました。
▼導入効果
導入後は、以下のような効果を実感されています。
- 品質保証部門・文書管理部門・人事部門・開発部門での作業効率アップ
- ナレッジの検索時間が大幅に短縮
ほかの部門でもVitals Knowledgeで情報を入手できるため、従業員への問い合わせが少なくなりました。また、全文検索によって、ドキュメント検索時間が5時間から5分間に短縮され、部門間のコミュニケーションの時間と作業プロセスも3.5時間から1時間に短縮できています。
紹介した事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
充実した検索機能で容易なナレッジ検索を実現
製造業・輸出業を運営するTRANSPAK EQUIPMENT社では、共有フォルダに知識と文書を保存しており、共有フォルダに整合性や関連性がないことから、文書を探すのに時間がかかる点が課題でした。
▼導入背景
産業環境の変化にすばやく対応できる仕組みをつくるために、ナレッジマネジメントの環境整備が必要だと考え、大手検索サイトに匹敵する検索と購読サービスを持つVital Knowledgeを導入されました。
▼導入効果
導入後、多彩な条件で絞り込める検索機能によって、従業員が重要な文章・必要な知識を簡単に検索できるようになりました。また、重要情報を関連性のある共有フォルダに分けて、情報を見つけやすくしています。さらに、権限管理機能で重要文書に閲覧制限を設けることで、文書の流出防止にも貢献しています。
紹介した事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
自主的なナレッジ習得による作業効率の向上
クーラント(冷却)ソリューションプロバイダーのT-Globalテクノロジー社は、台湾・中国・イギリス英国に営業部があります。それぞれが異なるフォーマットで独自のレポートを作成していたため、マネージャーが顧客の全容を把握することが難しいという課題がありました。
▼導入背景
営業活動の集中管理を図るとともに、社内の経験・知識を管理して将来の成長につなげる基盤を構築するために、Vital Knowledgeを導入しています。
▼導入効果
導入後は、ナレッジ共有によって各ユニットのプロセスが標準化されたほか、新人の従業員が自主的に作業手順を習得できる体制を構築できたことで、全体的な作業効率の向上につながっています。
紹介した事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
まとめ
この記事では、ナレッジマネジメントについて以下の内容を解説しました。
- ナレッジマネジメントでよくある失敗
- ナレッジマネジメントを成功に導くコツ
- ナレッジマネジメントの成功事例
ナレッジマネジメントを成功させるには、従業員が自発的にナレッジを登録して、現場で活用されやすい仕組みをつくることが重要です。
そのためには、暗黙知を形式知化するための機会を設けるほか、インセンティブを設定する、誰もが使いやすいツールを導入する、運用ルールを整備することがコツといえます。
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